
人事担当社員として採用されて初めて人事業務をやった際、わからない事は基本的に行政機関へ電話して、あるいは訪問時に確認する。というのが当たり前の時代でした。
インターネットが普及し働き方が見直されている現在、厚生労働省で非常に見やすくわかりやすいウェブサイトをいろいろな分野で作ってくれていて、役立つ情報や資料が掲載されていますので、事業主の方や特に新任の人事担当者にとってはありがたい存在になるでしょう。
今回は厚生労働省が作成しているウェブサイトのひとつである、「スタートアップ労働条件」をご紹介したいと思います。
○労働者を雇用するなら一通りは目を通しておきたい情報を掲載
この「スタートアップ労働条件」のウェブサイトには、まずここは確認しておきたい、といった情報が掲載されいています。どのような内容が掲載されているかというとメニュー構成は以下の通りです。
○本サイトについて・WEB診断の流れ
○時間外労働の上限について
○就業規則について
○お役立ち・支援情報
○アルバイトを雇う際に知っておきたいポイント
○事業者・労務管理担当の方のQ&A
○しっかり学ぼう!働く時の基礎知識
まずこのウェブサイトには自社の現状を確認できる診断ツールがある、診断ツールがあるというのが大きな特徴です。そして、労働者を雇用するために必要な基本的な情報と資料作成ツールもありますので、特に人事労務業務にそこまで詳しくないという方ほど活用できると考えられます。
○本サイトについて・WEB診断の流れ
○時間外労働の上限について
○就業規則について
○お役立ち・支援情報
○アルバイトを雇う際に知っておきたいポイント
○事業者・労務管理担当の方のQ&A
○しっかり学ぼう!働く時の基礎知識
まずこのウェブサイトには自社の現状を確認できる診断ツールがある、診断ツールがあるというのが大きな特徴です。そして、労働者を雇用するために必要な基本的な情報と資料作成ツールもありますので、特に人事労務業務にそこまで詳しくないという方ほど活用できると考えられます。
○事業者・労務管理担当の方のQ&A各メニューの内容
それでは、上記メニューの内容はどのようなものなのでしょうか。もう少し詳しくご紹介します。
本サイトについて・WEB診断の流れ

サイトに登録し56問の設問に回答する事で自社の労働条件や就労環境の診断結果を見る事ができます。登録をせずにゲストユーザーとして利用する場合は42問に回答します。設問に答えると結果がスコアとレーダーチャートとして表示され、今後対応が必要と考えられる内容が視覚的にわかるようになっています。
まず一度診断をやってみて現在の状況を確認し対応すべき課題を確認。課題に取り組みんだ後改めて診断をやってみて、結果としてスコアが良くなっている、問題点が改善されていればさらに他の課題に取り組む。このような使い方をすると取り組むべき課題の進捗確認ができそうです。
ウェブサイトを最大限に活用する為にも、また他のメニューにもある作成ツールを使いやすくする為にも可能であれば登録の上でご利用された方が、何度も入力する手間が省けますのでお勧めの方法です。
まず一度診断をやってみて現在の状況を確認し対応すべき課題を確認。課題に取り組みんだ後改めて診断をやってみて、結果としてスコアが良くなっている、問題点が改善されていればさらに他の課題に取り組む。このような使い方をすると取り組むべき課題の進捗確認ができそうです。
ウェブサイトを最大限に活用する為にも、また他のメニューにもある作成ツールを使いやすくする為にも可能であれば登録の上でご利用された方が、何度も入力する手間が省けますのでお勧めの方法です。
時間外労働の上限について

2020年4月から働き方改革の一環として、時間外労働の上限規制が設けられました。この上限規制が設けられた背景には長時間労働による過労死やうつ病の問題があり、今後は時間外労働の上限を意識した労務管理がいっそう求められていくことになります。
時間外労働を理解するには、そもそも法律上の労働時間について知る必要があります。そこでこのメニューでは労働時間の定義の説明から、時間外労働や法定休日労働を行うための36協定について掲載されています(特別条項付き36協定の説明を含む)。
36協定を作成する際にどの様式を使うのか悩むかもしれません。このページにはわかりやすいフローチャートが掲載されており、どの様式を使う必要があるか確認ができます。
また、2021年4月から36協定の様式が変更される為少々混乱が予想されますが、なんとこちらのウェブサイトでは36協定の作成支援ツールが提供されており、必要事項を入力していく事によって届出に必要な36協定を準備する事が可能です。
時間外労働を理解するには、そもそも法律上の労働時間について知る必要があります。そこでこのメニューでは労働時間の定義の説明から、時間外労働や法定休日労働を行うための36協定について掲載されています(特別条項付き36協定の説明を含む)。
36協定を作成する際にどの様式を使うのか悩むかもしれません。このページにはわかりやすいフローチャートが掲載されており、どの様式を使う必要があるか確認ができます。
また、2021年4月から36協定の様式が変更される為少々混乱が予想されますが、なんとこちらのウェブサイトでは36協定の作成支援ツールが提供されており、必要事項を入力していく事によって届出に必要な36協定を準備する事が可能です。
就業規則について

常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則を作成し所轄労働基準監督署に届出をしなければなりません。また、届出をした就業規則を労働者に周知する事が求められています。
このメニューでは、このような就業規則の作成義務についてや、就業規則に記載する「絶対的必要記載事項」と「相対的必要記載事項」について細かく説明がされています。
また、「就業規則作成支援ツール」も準備されていますので、こちらも活用する事で簡単に就業規則を準備する事が可能です。ひな型そのものしか利用できないというわけではなく、自社オリジナルのルールを設けたり不要な部分は削除できたりとアレンジができるようになっています。
なお、賃金規定もありますが、ワードでひな型をダウンロードの上修正する事が必要なようです。また、その他規程については自社で準備しなければなりませんので、本則部分を作成する場合には役に立つと思います。
このメニューでは、このような就業規則の作成義務についてや、就業規則に記載する「絶対的必要記載事項」と「相対的必要記載事項」について細かく説明がされています。
また、「就業規則作成支援ツール」も準備されていますので、こちらも活用する事で簡単に就業規則を準備する事が可能です。ひな型そのものしか利用できないというわけではなく、自社オリジナルのルールを設けたり不要な部分は削除できたりとアレンジができるようになっています。
なお、賃金規定もありますが、ワードでひな型をダウンロードの上修正する事が必要なようです。また、その他規程については自社で準備しなければなりませんので、本則部分を作成する場合には役に立つと思います。
お役立ち・支援情報

このページでは、例えば法令や通達といった、WEB診断を行った後に問題点を発見したり改善する為の情報が掲載されています。他にも各種セミナーの情報や相談先の窓口の情報を見つける事ができます。
そして事業主や人事担当者の方にお勧めしたいのが「厚生労働省メールマガジン」です。こちらのページからリンク先に行くことで登録が可能です。メルマガに登録をすることで人事労務に関する情報を届いたメールからチェックできます。
私がこの「厚生労働省メールマガジン」の存在を知ったのが、社労士試験受験時代ですのでかれこれ15年ほどは厚生労働省は情報をメールで提供しています。
厚生労働省にかかわる内容が届きますので、業務に関係ない内容も含まれると思いますがまずは登録して内容を確認してみていただければと思います。
そして事業主や人事担当者の方にお勧めしたいのが「厚生労働省メールマガジン」です。こちらのページからリンク先に行くことで登録が可能です。メルマガに登録をすることで人事労務に関する情報を届いたメールからチェックできます。
私がこの「厚生労働省メールマガジン」の存在を知ったのが、社労士試験受験時代ですのでかれこれ15年ほどは厚生労働省は情報をメールで提供しています。
厚生労働省にかかわる内容が届きますので、業務に関係ない内容も含まれると思いますがまずは登録して内容を確認してみていただければと思います。
アルバイトを雇う際に知っておきたいポイント

このウェブサイトで少々特殊とも思えるのがこちらのページです。何故アルバイトを雇う事にフォーカスしているのかはわかりませんが、ウェブサイトの名称にスタートアップとありますので、立ち上げ当初正社員を雇う前の段階の事業主等を主な対象にしているからなのかもしれません。
確かにアルバイト、特に学生、更には18歳未満の人を雇用する場合は注意が必要になると思います。例えばウェブサイトのリンク先にもある下記のような内容です。
・満18 歳未満のアルバイトに時間外労働及び午後10 時から午前5時までの深夜労働を行わせていませんか。
・満18 歳未満のアルバイトに休日労働を行わせていませんか。
・満18 歳未満のアルバイトについて、事業場に年齢を証明する書面を備え付けていますか。
アルバイトにも労働基準法が適用されますから、法律の要件を満たせば有給休暇を取得できます。また、労災保険も対象です。ただし、昼間学生については雇用保険には加入できませんので、すべて同じルールではない事には注意が必要となります。
確かにアルバイト、特に学生、更には18歳未満の人を雇用する場合は注意が必要になると思います。例えばウェブサイトのリンク先にもある下記のような内容です。
・満18 歳未満のアルバイトに時間外労働及び午後10 時から午前5時までの深夜労働を行わせていませんか。
・満18 歳未満のアルバイトに休日労働を行わせていませんか。
・満18 歳未満のアルバイトについて、事業場に年齢を証明する書面を備え付けていますか。
アルバイトにも労働基準法が適用されますから、法律の要件を満たせば有給休暇を取得できます。また、労災保険も対象です。ただし、昼間学生については雇用保険には加入できませんので、すべて同じルールではない事には注意が必要となります。
事業者・労務管理担当の方のQ&A

ここでは実務的に疑問があった時にかつようできるページです。特に多いと思われる質問を掲載しているかと思います。NEWという文字も見受けられるので、今後も新たな質問内容が追加されるようです。検索もできますので、一覧上で確認したい質問がなければキーワードを入れて探してみましょう。
現時点では以下のテーマに分けて整理の上質問を掲載しています。
○全般
○働き方改革関連
○雇用契約
○労働時間・休日・休憩
○年次有給休暇
○賃金
○解雇
○就業規則・書類の保存
○その他
ざっと目を通してみたところ基本的であったり、確かに気になりそうな内容も紹介されていますが、「臨検監督」「外国人技能実習生」といった少しニッチな内容、「ブラック企業」「ハラスメント」といった最近話題の内容についても掲載されています。
このページを見るだけでも勉強になると思いますので、お時間があれば一通りご覧いただければと思います。
現時点では以下のテーマに分けて整理の上質問を掲載しています。
○全般
○働き方改革関連
○雇用契約
○労働時間・休日・休憩
○年次有給休暇
○賃金
○解雇
○就業規則・書類の保存
○その他
ざっと目を通してみたところ基本的であったり、確かに気になりそうな内容も紹介されていますが、「臨検監督」「外国人技能実習生」といった少しニッチな内容、「ブラック企業」「ハラスメント」といった最近話題の内容についても掲載されています。
このページを見るだけでも勉強になると思いますので、お時間があれば一通りご覧いただければと思います。
しっかり学ぼう!働く時の基礎知識

このページでは、まず「働くときの権利と義務」という事で労使双方向けの説明内容があり、その下からは「事業主・労務管理担当の方へ」という事で使用者側へ向けた資料が掲載されています。
現時点で掲載されているテーマは以下の通りです。
○労働条件の明示
○アルバイトとのトラブル
○過重労働の防止
○時間外・休日労働と割増賃金
○退職、解雇、雇止め
○ハラスメント
○ストレスチェックって な~に?
○女性活躍推進って何のこと?
○働き方改革って、な~に?
○労働災害
各項目をクリックするとより詳細なページで詳しく内容を見る事ができます。
一般的な労使問題につながりそうな内容から、「ハラスメント」「ストレスチェック」「女性活躍推進」「働き方改革」といった新しいテーマについても確認ができます。
現時点で掲載されているテーマは以下の通りです。
○労働条件の明示
○アルバイトとのトラブル
○過重労働の防止
○時間外・休日労働と割増賃金
○退職、解雇、雇止め
○ハラスメント
○ストレスチェックって な~に?
○女性活躍推進って何のこと?
○働き方改革って、な~に?
○労働災害
各項目をクリックするとより詳細なページで詳しく内容を見る事ができます。
一般的な労使問題につながりそうな内容から、「ハラスメント」「ストレスチェック」「女性活躍推進」「働き方改革」といった新しいテーマについても確認ができます。
○人事労務にかかわるすべての方に見て欲しいウェブサイト

このウェブサイトの名称は「スタートアップ労働条件」ですから、既にしっかり労務管理ができている事業主や人事担当の方が見ても参考になる事は多くないかもしれません。これから体制を整えていくぞ、という場合には非常にお勧めなウェブサイトです。上記でご紹介してきたように、基本的な内容から最近取り組む事が求められている新しいテーマも確認ができますので、勉強になる事もいいと思います。
また、このウェブサイトでは「RJ(労働条件)パトロール!」という、労働条件学習クイズアプリが紹介されています。「労働環境に問題のある会社をパトロールし、NG発言を見つけ出そう」というのがこのアプリで遊ぶ目的のようです。
厚生労働省が作成しているウェブサイト上で遊ぶためのアプリが紹介されている事に大変驚きましたらが、過重労働等の労働環境が問題となり働き方改革が推進される中、労働者にも働き方を考えてもらうためのきっかけづくりとして作成したのでしょう。法律は非常に堅苦しく感じるのでなかなか積極的に勉強する気にはなれないと思いますが、遊びながらであれば気軽ですよね。
一方で、使用者側としては従来からインターネットで情報を検索する労働者が増えている、という印象をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、国がこのような取り組みをすることでいっそう働く事を考える人も増えるかもしれません。そうでなくても少子高齢化が続く日本において、社会保険料や税金が高くなったり、70歳定年制になったりと自ずと働く事を考える機会は増えていきます。自社にとって理想的な人材を採用していくためにも、コンプライアンスを意識していく事が求められます。
ぜひ、このウェブサイトも活用していただき、改めて自社の労務管理状況をご確認いただければと思います。
また、このウェブサイトでは「RJ(労働条件)パトロール!」という、労働条件学習クイズアプリが紹介されています。「労働環境に問題のある会社をパトロールし、NG発言を見つけ出そう」というのがこのアプリで遊ぶ目的のようです。
厚生労働省が作成しているウェブサイト上で遊ぶためのアプリが紹介されている事に大変驚きましたらが、過重労働等の労働環境が問題となり働き方改革が推進される中、労働者にも働き方を考えてもらうためのきっかけづくりとして作成したのでしょう。法律は非常に堅苦しく感じるのでなかなか積極的に勉強する気にはなれないと思いますが、遊びながらであれば気軽ですよね。
一方で、使用者側としては従来からインターネットで情報を検索する労働者が増えている、という印象をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、国がこのような取り組みをすることでいっそう働く事を考える人も増えるかもしれません。そうでなくても少子高齢化が続く日本において、社会保険料や税金が高くなったり、70歳定年制になったりと自ずと働く事を考える機会は増えていきます。自社にとって理想的な人材を採用していくためにも、コンプライアンスを意識していく事が求められます。
ぜひ、このウェブサイトも活用していただき、改めて自社の労務管理状況をご確認いただければと思います。